アラブのなりわい生態系 第2巻
『ナツメヤシ』
石山俊・縄田浩志 編
315頁 定価 3,600円 ISBN 978-4-653-04212-9 C0322
(臨川書店 2013年12月)
<内容>
本書の主題は、ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)を軸として、歴史学、
地理学、植物学、文化人類学などの視点から、沙漠、オアシス、乾燥地
のなりわいを考察することにある。人類は少なくとも5千年もの長きに
わたって、貴重な水を分かち合う様々な在来知をつくりだしながらナツ
メヤシとの関係を保ち続けてきた。ナツメヤシは、食糧生産といった面
だけではなく、オアシスにおける作物の栽培を可能とする微気候をつく
りだすという生態的側面においても人間の生存を支えてきた。そしてア
ラブ社会の人々によって長い時間をかけて作り上げられてきたナツメヤ
シ文化は、現代においても形を変えながら生き続けているのである。