- ヒルギダマシの環境ストレスへの形態的適応特性
(2012/2/24-3/21・スーダン)
和歌山大学大学院 学生・ 村上 泰慈
紅海沿岸に自生するマングローブの一種であるヒルギダマシの形態的特徴を調べるため,スーダン紅海沿岸を訪れ,紅海大学支援のもと,ヒルギダマシの葉とシュートの採取を行った。今回の調査の目的は高塩分,乾燥などのストレスが,ヒルギダマシの成長に与える形態的柔軟性と,紅海沿岸においてヒルギダマシの成長に適切な条件と,ヒトコブラクダの採食圧がヒルギダマシの成長に与える影響について調査した。そこで,スーダン紅海沿岸において,ラクダの採食が多いと報告させているキラナイーブを調査対象地に設定した。また,対象個体を選ぶ際,ラクダの食圧レベルによって,4段階にタイプ分けを行った。私たちは52個体,1359シュート,6759枚の葉のサンプリングを行った。対象個体にした木に対し,樹高,枝張り,海水塩分濃度,幹の直径の測定と,1個体あたりの枝とシュートの数を数えた。1個体あたりのサンプリングの数は,樹高によって異なるが,およそ6~8ポイントのサンプリングを行った。1ポイントごとに,シュート5本と葉25枚のサンプリングを行った。その際,サンプリングポイントの高さと広さの測定も並行して行った。サンプリングしたシュートと葉より,葉の面積,葉の数,葉厚,葉の葉緑素量,葉とシュートの乾燥重量,節の数,節間長,シュート長の測定を行う。これらの結果を個体のタイプ別やサンプリングの高さや広さ別に比較を行い,ヒルギダマシの環境ストレスへの形態的適応特性を明らかにしていく。
▲ラクダがヒルギダマシを食べている様子 |
▲現地調査の様子 |