- サウジ・アラビア紅海沿岸におけるヒルギダマシのDNA試料の採取
(2011/11/23-12/16)
岡山大学大学院環境学研究科・吉森 一道
紅海沿岸に生育するマングローブ樹種ヒルギダマシの遺伝的多様性に関する研究のためサウジ・アラビア紅海沿岸を訪れ、サウジ・アラビア野生生物保護委員会(SWA)の支援のもと、ヒルギダマシのDNA試料の採取を行った。
サウジ・アラビア紅海沿岸におけるヒルギダマシ分布域の全域を網羅するように、沿岸南部のファラサン諸島と沿岸北部のデゥバの間の24カ所の林分にて、一林分27~131個体から葉試料を採取した(図 1)。
今後採取した試料のマイクロサテライト分析を行う。今回採取した試料の分析結果とエジプトやスーダンの試料の分析結果をもとに、地域林分間の遺伝的組成の変異に関する解析を進め、紅海沿岸におけるヒルギダマシの分布拡大の過程や林分間の遺伝子流動などについて調査する。
(図 1) ヒルギダマシDNA試料採取地点
▲写真1 |
▲写真2 |
▲写真3 |
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(写真1)会社敷地内にある林分。現地の住民やラクダが侵入することができないためそれによる破壊がなく、林分は健全な状態であった。
(写真2)ヒルギダマシの枝葉を食べるラクダたち。
(写真3)ラクダによる食害が大きい林分。林分の陸側のほとんどの個体にラクダの被食痕がみみられ、その多くが枯死していた。
(写真4)地元の漁師がマングローブ林のそばで獲った魚や蟹。