- サハラアトラス山脈地域における哺乳動物生態予備調査
(2011/4/29-5/8、アルジェリア) 京都府立大学・教授・牛田 一成
「アラブ社会における生業生態系の研究」の一貫として、アルジェリア民主人民共和国・サハラアトラス山脈の調査地で哺乳類の生態について予備調査を実施した。
1)CNDRBラゲルミ試験場において、試験場職員と打ち合わせのほか齧歯類の試料採取を試みた。場内には、齧歯類の巣穴が多数確認され、また糞便などDNA試料
の採取も可能であった。この他、周辺で試験場から移動可能な距離にあるオアシスで現況調査を実施した。
(写真1)ラゲルミ試験場の風景 | (写真2)場内の齧歯類巣穴 |
2)クレア国立公園で、アフリカ唯一のマカク属現生種Macaca sylvanusを観察した。
(写真3)Macaca sylvanus
3)哺乳類生態調査の際に、基準試料となるDNA試料をアルジェ市内の動物園で展示されている動物(Ammotragus lervia, Gazella dorcas)から採取した。現在、試料については解析中である。
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4)今回の出張により、CNDRBラゲルミ試験場では中型の野生哺乳類の調査は周辺の山地に進出することが必要と判断されることとなった。また、動物園獣医師の協力が得られたことで、表記課題の今後の調査で動物生態学も含めて実施することが可能と判断された。